以前、生徒に新年の初詣で何をお祈りしたか尋ねたとき、ある生徒が「優しい人になれますように」と願ったと答えました。その純粋な心に、私は深く感動しました。私自身、常に人よりも優しいと自負していましたが、最近気づいたことがあります。それは、「優しさ」というのは、実は一種の才能であるということです。
この発見に至ったのは、自分自身の経験からでした。私は常に優しくあることを心がけていますが、時には他人の行う感動的な優しい行動のエピソードを聞いて、そのような行動が自分からは思いつかなかったことに気づくのです。確かに、優しさを心がけていることで、他人に対して不快な行動を取ることは少ないでしょう。しかし、それは単にマイナスなことを避けているだけで、真の優しさ、すなわちプラスの極限まで行くような行動とは異なります。
真の優しさとは、相手が感動し、心から喜ぶような行動を取ることです。そして、そういった行動を思いつくことができるのは、特別な才能だと私は考えるようになりました。この才能は、深い共感力や洞察力、創造力に根ざしています。他人の気持ちを理解し、彼らの喜ぶことを見極め、それを実行に移すことは、決して容易なことではありません。
また、優しさは単に感情的な面だけでなく、実際の行動にも反映されるべきものです。私たちが行う一つ一つの優しい行為は、周囲の人々に大きな影響を及ぼし、積極的な変化をもたらすことができます。小さな優しい行動が積み重なることで、信頼や絆が生まれ、コミュニティ全体がより強固なものになるのです。
私たち一人一人が持つ「優しさ」という才能を最大限に活かすことで、私たちの社会はより暖かく、より支え合える場所になります。そのためには、自らの優しさについて深く考え、他人の優しい行動から学び、常にその才能を磨き続ける必要があるのです。そして、それは私たち一人一人が持つ、最も貴重なギフトの一つであると言えるでしょう。
「優しい人になれますように」という願いは、改めて深く尊いものだったと感じています。
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